ビスクドールは種類も多く世界中にコレクターがいるので、ビスクドールだけでまとめるのは難しいですが、とても面白いドールのひとつなので初心者向けにまとめてみました。
ビスクドールとは
ビスクドールの「ビスク」とは、お菓子のビスケット同様、フランス語の「ビスキュイ(二度焼き)」が語源で、その名のとおり人形の頭部や手足のパーツ、ときには全身が二度焼きされた素焼きの磁器で出来ています。顔、身体のパーツに加えて型押しされた髪形をもつ人形は美しくメイクをされていました。初期は瞳が手描きでした。半世紀後にはグラスアイを嵌めこんだ姿となり、ファッションドールと称されるようになります。この人形は貴族の貴婦人へ流行のファッションを伝えるという役割を担っていて、観賞用のお人形でした。
子どもが遊ぶためのものではなく、ファッションドールが纏っているドレスを購入できる身分の人向け、上流階級の大人の女性のためのお人形でした。現代でも決して安いお人形ではなく、子供用の扱いやすい素材とは言えないので大人向けのお人形といえると思います。

製法でわけるビスクドール
ビスクドールには大きく分けて「プレスドビスク」と「ポアードビスク」の2種類に分けることができます。1890年以前、ビスクドールは陶土を型に押し込んで成形するプレスドビスクの製法で作られていましたが、プレスドビスクは均一な質の磁器を作ることが難しい、大量生産ができないといった問題がありました。
そこで誕生したのが、液状のポーセリンを型に流し込んで作るポアードビスクです。安定した品質で大量生産できるポアードビスクが台頭したことで、従来のプレスドビスクは次第に廃れ、現在作られるビスクドールもポアードビスクで作られています。
製造元でわけるビスクドール
ビスクドールをみていくとよく耳にするのが、ジュモー、ブリュ、ゴーチェなどです。
これらは黄金期に活躍していたビスクドールの会社です。黄金期は1800年代頃になります。ですので当時のものは立派なアンティークドールになります。1930年以前のものであれば世紀になアンティークドールです。現在流通しているものはレプリカだったり、リプロダクションドールが多くそれらもすべてビスクドールとなります。

ビスクドールの製造会社
フランス
- ジュモー(Jumeau 1842-99):ポートレイト、トリースト、デポゼ、テート
- ブリュ(Bru Jeune 1866-99):ブルベテ、サークルドット、テトゥー、ジュン、ジュンR
- フランソワ ゴーチェ(Francois Gaultier):ブロックレター、スクロール
- A.T.(ア・テー)(A.Thuillier 1875-93, 1896-98): 一度、工場を閉め、再びオープン、オープンマウスのドールを試みる。
- シュタイナー(Jules Nicolas Steiner 1855-1910):数多くのモールドがある。
- S.F.B.J(1899-1955頃、ジュモー等フランスのドール製造会社の合同会社): 競争は止めて協力し合うというモットーで設立。
ドイツ
- アーマン(ド) マルセイユ(Armand Marseille):ビスクヘッドのみを製造。他社のヘッドも製造する。
- ケストナー(Kestner&Co 1816-1930):ドールパーツの全てを製造した数少ないドール会社。
- シモン&ハルビッヒ(Simon&Halbig 1869-1932):数多くのドール会社のヘッドを焼く。
- ケマー&ラインハート(Kaemmer&Reinhardt):名前付きのキャラクタードールで有名。
- ハインリッヒ ハンドワーク:1902年に41歳のハンドワークの急死でK&Rが受け持つが、1921年に息子に返す。
- ベア&プロシルト(1871-1919):1919年にブルーノ シュミットに買収される。
- ブルーノ シュミット(Bruno Schmidt 1900-1950頃:ヘッドはB&Pに依頼、1919年にB&Pを買収する。
- フランツ シュミット(Franz Schmidt 1889-現在): Steiner/シュタイナーと言う名のぬいぐるみ製造会社として現存する。
- フライシュマン&ブローデル:フレンチドールエデンべべを製造, SFBJに加盟(=投資)
- クリング(Kling 1834-1941):チャイナドール(英語版)やパリアンドールを主に製造
日本
・モリムラ (森村組、現在のノリタケ)
・サカイ サクラビスクを製造
ビスクドールを楽しむ
ビスクドールを実際に見て楽しめる場所をご案内します
・銀座人形館 東京都中央区銀座7-9-16 銀座ロータリービル2F
・神戸ドールミュージアム 〒655-0037 兵庫県神戸市垂水区歌敷山1-7-20
・タイムロマン 神戸市中央区北長狭通4-1-12 ダイヤモンド鯉川
アンティークドールからテディベアまで幅広くお取り扱いがあります
・べべタビト人形館 〒862-0959熊本県熊本市中央区白山2丁目4-25 2F
人形作家 旅人容子さんの作品を中心に取り扱っている人形館で販売もされています。
アンティークのお人形は購入もハードルが高いと思うのでまずは上記の展示されている場所でいろいろ見てみるのがいいと思います。ドールはヤフオクなどでも手に入りますが本物か、リプロダクトかなど詳細が記載されていないものも多く初心者には判別は難しいです。また、アンティークのお人形は破損や汚れなどはあるのが前提になってます。それらも含めて楽しめないといけないのでお迎えの際は注意してください。
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